カイロプラクティックとは?国家資格に「できない」理由

カイロプラクティックに国家資格が無いのは、日本が制度整備を怠ってきたからではない。法律の構造上、そもそも規制の対象にならない業務だから――そしてもうひとつ、すでにその仕事をしていた人たちがいたから。理由は一つではなく、二つが重なっている。

この記事では、まず法律の中身を確認し、次になぜ今の形になったのかを見て、最後に「では何を信頼の手がかりにすればいいのか」に着地する。

目次

カイロプラクティックは違法なのか、まず法律を確認する

日本の法律で、施術に関わる免許制度を定めているのは「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(昭和22年法律第217号。通称・あはき法)だ。この法律の第一条が免許を定めているのは、次の3つになる。

  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師
  • きゅう師

ここに柔道整復師を加えた4つが、施術に関わる国家資格になる。ただし柔道整復師は、昭和45年に分離された柔道整復師法(昭和45年法律第19号)によるものだ。あはき法自身が、柔道整復を業とする場合については柔道整復師法の定めるところによる、と別の法律へ送っている。もともとは「あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法」という一本の法律だったものが、二本に分かれた名残になる。

カイロプラクティックにも、いわゆる整体にも、これに相当する法的な資格制度は存在しない。国が発行する免許があるわけでもなければ、免許がないと開業できないという決まりもない。これが、まず押さえておくべき出発点だ。

では、あん摩やマッサージの免許でカバーされるのではないか、とも思える。だがそうはならない。厚生省は昭和45年6月24日の通知(医発第374号「法令適用上の疑義について」)で、カイロプラクティックは「脊椎の調整を目的とする点において、あん摩、マッサージ又は指圧と区別され、したがって、あん摩、マッサージ又は指圧に含まれないものと解する」との解釈を示している。つまり行政は、カイロプラクティックをあはき法の免許の枠の外側にあるものとして、はっきり位置づけてきた。

あん摩マッサージ指圧師のように、法律の対象になっている資格でさえ、養成校の数まで法律で制限されてきた歴史がある(あん摩マッサージ指圧師はやめとけ?学校を増やせない法律のフタ)。片や、カイロプラクティックには免許制度そのものが無い。

では、免許制度が無いカイロプラクティックは、無法地帯のように誰が何をやってもいい状態なのか。そうではない。ここには、もう一段深い法律の論理がある。

有害でなければ規制されない――昭和35年最高裁判決という土台

カイロプラクティックや整体が「誰でも名乗って業にできる」状態になっている法的な根拠は、一つの最高裁判決にさかのぼる。

昭和28年、ある施術者が「HS式無熱高周波療法」という機器を使った施術を、あはき法に基づく免許なしで行ったとして起訴された。一審・控訴審を経て事件は最高裁に持ち込まれ、昭和35年1月27日、最高裁判所大法廷が判断を示す。それまでの有罪判決は破棄・差し戻された(=下級審の判断はやり直しになった、ということ)。

問われたのは、たった一つのことだ。あはき法が禁止している「医業類似行為」とは、どこまでを指すのか。

その判旨(要旨)は、次のようなものだ。

医業類似行為を業とした者が処罰されるのは、その業務行為が人の健康に害を及ぼすおそれがあるからであり、法が医業類似行為を業とすることを禁止するのも、人の健康に害を及ぼすおそれのある業務行為に限局する趣旨と解しなければならない。

つまりどういうことか。あはき法が医業類似行為を禁止し、違反者を処罰できるのは、その行為が「人の健康に害を及ぼすおそれがある」場合に限られる、という考え方だ。裏を返せば、健康に害を及ぼすおそれが無い行為であれば、あはき法はそもそも禁止の対象にしていない、ということになる。

この判決を受けて、厚生省は同じ年の昭和35年3月30日、医発第247-1号という通知で受け止め方を示した。ここで整理されているのは、二層構造の扱いだ。

1. あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の4つの国家資格については、無免許で業とすればその事実だけで処罰の対象になる。これは判決の前後で変わらない

2. それ以外の医業類似行為については、「医学的観点から少しでも人体に危害を及ぼすおそれがあれば、人の健康に害を及ぼす恐れがあるものとして禁止処罰の対象となる」と解釈する

この論理は、単発の判例で終わっていない。約30年後の平成4年1月14日、参議院に提出された政府の答弁書でも、同じ考え方がそのまま示されている。

人の健康に害を及ぼすおそれのある行為は医業類似行為に当たり、これを業として行うことは禁止処罰の対象となる。人の健康に害を及ぼすおそれのない行為については禁止処罰の対象とはならない。

つまり、法律ができてから約45年が経っても、行政の解釈は一貫している。あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師には法律に基づく資格制度があり、その資格を持つ者だけが業として行える。一方で、それ以外の医業類似行為――カイロプラクティックや整体もここに含まれる――は、有害でなければ、資格が無くても業とすることができる。これが一つ目の理由、法律の構造そのものだ。

もうひとつの理由――すでに仕事にしていた人がいた

法律の構造だけでは、「なぜ国家資格を新たに作らないのか」という疑問には答えきれない。有害でなければ規制されないというのは「規制しない理由」の説明であって、「新しい国家資格を作らない理由」の説明ではないからだ。ここに、もう一つの理由が重なってくる。

私自身が理解している範囲では、こうだ。鍼灸師・柔道整復師という国家資格が先に存在し、その国家資格の外側に、無資格のまま「整体」と呼ばれる仕事をしている人たちがすでにいた。この状態で、もし国がカイロプラクティックや整体を新たに国家資格化しようとすると、すでにその仕事で生計を立てている人たちの職が失われる可能性が出てくる。国家資格化に伴って学校を作れば、すでに現場で長年働いている人たちも、あらためて学校に通わなければならなくなる。そうなれば、現在その仕事をしている人たちから強い反発が起きるだろう、というのが私の理解だ。

この構図を裏づける条文が、実際にあはき法の附則に残っている。改正前の第19条第1項の規定により届出をしていた者について、こう定められている。

第十九条第一項の規定による届出をしていたものは、前条の規定にかかわらず、当該医業類似行為を業とすることができる。ただし、その者が第一条に規定する免許(柔道整復師の免許を含む。)を有する場合は、この限りでない。

つまり、法律ができる前からすでにその仕事をしていた人は、届出さえしていれば、そのまま仕事を続けることができる、という設計だ。あはき法の附則には、届出をした者が一定の期日(指圧は昭和42年12月31日、指圧以外は昭和39年12月31日)までにあん摩マッサージ指圧師試験に合格すれば免許を得られる、という救済の規定も別に置かれている。

つまり、この記事のタイトルにある「できない」は、二つの理由が重なった結果だ。一つは、有害でなければ規制されないという法律の構造(前章)。もう一つは、すでにその仕事をしていた人たちへの配慮(この章)。国が「法制化しない」という判断を能動的に下しているというより、この二つの事情が同時に成り立っているために、新しい国家資格を作る動きが生まれにくい、というのが実際の姿に近い。

なお、同じ「すでに国家資格を持つ側」にも、それぞれの事情がある。柔道整復師は国家資格でありながら、その資格の周辺で別の課題を抱えていることを、以前柔道整復師はやめたほうがいい?現場12年で見た実際という記事で書いた。国家資格の有無だけで、その仕事の実情のすべてが説明できるわけではない。

それでも国際基準を選んだ理由

ここからは私自身の話になる。私は、国家資格にならないと分かっていて、あえて4年制のカイロプラクティックの課程を選んだ。

日本では、しっかり学ばなくても「カイロプラクティック」と名乗り、その技術をサービスとして提供できてしまう。だが私は、人の体に触れる以上、国際基準のカリキュラムを卒業していることが当たり前であるべきだと考えていた。学んでいない人が体に触れることには危険がある。1週間や半年の短期セミナーで教われる内容ではないと感じたし、そうした人たちと自分を同じにはしたくなかった。それが、国際基準のカイロプラクティックをしっかり学べば、本物のカイロプラクティックを提供できると思って4年制の課程を選んだ理由だ。

実際に学んだ内容を振り返ると、短期セミナーには無く、4年制の課程だからこそ含まれていたものがある。

  • カイロプラクティック哲学
  • モーションパルペーション(関節の動きを触診で評価する技術)
  • スタティックパルペーション(静止した状態での触診による評価)
  • 理学検査
  • 整形外科的検査(整形学検査)
  • クリニカル(臨床実習)――1年間、指導者のもとで実際に患者を担当する実践形式

これらは、安全にカイロプラクティックを行うために必要なカリキュラムだ。

もう一つ、私が資格を取る過程で実感したのは、基礎医学の部分はどの学校でも共通しているという点だ。違うのは、その先にある専門科目だけになる。

学校 専門として学ぶもの
鍼灸 経穴(ツボ)、東洋医学
柔道整復師 骨折・脱臼・打撲・捻挫(骨折学・柔道整復学)
カイロプラクティック カイロプラクティック哲学、テクニック、検査

私自身は、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の4国家資格に加えてカイロプラクティックのD.C.も取得しているが、それは「サービスとして提供するなら、すべての学校を卒業しないといけない」と考えたからだ。

「受けるかどうかは本人次第」になっている、という現実

「カイロプラクティックって国家資格じゃないんでしょ」と言われたとき、私はいつも次のような順番で答えている。

第一に、日本では法制度が無いので、誰でも名乗れて仕事にできてしまう。第二に、しかし世界的にはしっかりとした法制度があり、国際基準の学校を卒業しなければ仕事にできない国も多い。第三に、私は本来、それが正しいあり方ではないかと思っている。人の体に触れる以上、未熟なまま、あるいは知識の無いままで施術することは、患者にとって不利益になりうるからだ。第四に、だからこそ日本では、受けるか受けないかは患者本人の意思次第になってしまっている、というのが現実だ。

ここで一つ、誤解してほしくないことがある。「国家資格が無い=いい加減」という単純な図式で語りたいわけではない、ということだ。整体には、たくさん勉強されている方もいれば、そうでない方もいる。これは事実として、はっきり書いておきたい。

私自身、こう感じたことがある。「あの時学んでいなかったら、事故を起こしていたかもしれない。それは受ける患者さんにとっても不利益となる」。学ぶ量には差があり、その差が結果に表れることはある、というのが実感だ。

この実感を裏づけるように、公的な統計にも手がかりがある。国民生活センターが平成24年8月2日に公表した資料によると、2007年度以降の約5年間(2012年6月末登録分まで)で、手技による医業類似行為に関する危害相談は4,330件、そのうち身体症状が実際に発生した危害相談は825件にのぼり、増加傾向にあるとされている(2007年度115件→2011年度186件)。

このうち、受けた施術の内容が分かっている825件の内訳は、次のとおりだ。

施術 件数 割合
「マッサージ」「〇〇マッサージ」 281 34.1%
「整体」「〇△整体」 240 29.1%
接骨院や整骨院での施術 112 13.6%
カイロプラクティック 110 13.3%
指圧 27 3.3%
「矯正」「△×矯正」 16 1.9%
その他 39 4.7%

ここで、絶対に誤読してほしくない一点がある。国民生活センターの資料自身が、「大部分は施術者が国家資格を有しているか判別できない」と明記している。実際、法的な資格制度が無い施術(整体・カイロプラクティック・矯正)の合計は366件(44.4%)にのぼるが、国家資格を持つ者のみが行える施術だと明らかに判別できた相談は139件(16.8%)にとどまる。つまり、この数字から「無資格者の事故が多い」と結論づけることはできない。資格の有無と危害の発生を直接結びつけるだけの情報が、そもそもこの統計には無いのだ。

なお、危害の程度についても補足しておく。回答があった640件のうち498件(77.8%)が医療機関を受診し、そのうち167件(33.5%)は治療に3週間以上を要している。被害者は30〜50代で6割以上を占め(30代22.2%・40代22.3%・50代18.2%)、女性が668名(81.9%)と男性のおよそ4.5倍にのぼる。同資料が引用する平成22年度厚生労働科学特別研究事業のアンケート(2011年・20〜60代約3,000人)では、利用経験はマッサージ32.8%、整体26.8%、カイロプラクティック16.0%となっている。

つまり現状は、「国家資格が無いから危険」でも「国家資格が無くても関係ない」でもなく、受けるかどうかの判断が、制度ではなく患者本人に委ねられている、というのが実態に近い。

国家資格でないと、実際に何が変わるのか

国に認められていないということは、制度上の保証がされない職種になる、ということでもある。具体的には、次のような場面に違いが出てくる。

  • 万が一のときの賠償や保険の扱い
  • 健康保険が使えないこと
  • 医療機関や他職種と連携するときの立場

例えば、柔道整復師には「受領委任」という、施術者が患者に代わって保険者に費用を請求できる制度上の入口がある(整骨院の保険はなぜ500円?受領委任という仕組み)。あん摩マッサージ指圧師にも、医師の同意書を経て健康保険につながる仕組みがある(訪問マッサージは違法なのか?同意書が支える仕組み)。だが、法的な資格制度そのものが存在しないカイロプラクティックには、この入口自体が用意されていない。

ただし、ここで私自身の実感として、一つ訂正しておきたいことがある。12年やってきて、不便だということはない。しっかり体の知識を持ち、患者に説明して納得して受けてもらえていれば、日常の中で特に不利益を感じる場面は無かった。不便なのは、日々の施術そのものではなく、制度の側にあるのだと思っている。

もっとも、国家資格を持っていれば全てが安泰というわけでもない。はり師のように国家資格を持つ職種でも、参入障壁の低さという別の現実を抱えていることを、以前鍼灸師はやめとけ?現役はり師が語る唯一無二の価値という記事で書いた。国家資格の有無だけで、その仕事の実情が語り尽くせるわけではない、という点は、カイロプラクティックにも、これら4つの国家資格にも共通している。

それでも私は、より良いカイロプラクティックの業界を作っていくためには、やはり改革が必要だと考えている。法制度というしっかりとした整備が必要だ、というのが、12年この仕事をしてきた私の結論だ。

では何が信頼の担保になるのか――民間の国際基準という答え

国家資格が無い以上、日本の法律の中に「これを満たせば安心」という物差しは存在しない。だが、国家資格とは別の場所に、国際的な基準は存在している。

WHOは2006年、「カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイドライン」を発表した。ここでは、カイロプラクティックの教育について、医学・カイロプラクティック学・臨床実習を合わせて4,200時間以上という基準が示されている。

私が卒業した東京カレッジ・オブ・カイロプラクティックのDoctor of Chiropractic Programは、CCEA(アジア大洋州カイロプラクティック教育審議会)の国際認証を受けており、公式サイトによれば教育時間は総合4,301時間にのぼる。内訳は、基礎医学・臨床科学が1,817時間、カイロプラクティック学が1,480時間、臨床実習が1,004時間だ。このうち3〜4年次の「カイロ臨床実習1〜6」だけで合計892時間、卒業研究プロジェクトに140時間が充てられている。WHOが示す4,200時間以上という基準を、実際の時間数で上回っている計算になる。

これは、国家資格ではない。あくまで民間・国際的な基準であり、日本の法制度上の資格ではない、という点には注意が必要だ。だが私は、こう考えている。国家資格や学位を一つ取れば、最低限その勉強をして合格したという証明にはなる。だからこそ、国家資格や学位は、安心・安全の一つの指標になりうる。国家資格という物差しが存在しない領域では、こうした民間の国際基準が、その代わりになりうる一つの手がかりだと思う。

国内にも、同じ発想の枠組みがある。一般社団法人 日本カイロプラクティック登録機構(JCR)は、WHO指針に準拠した教育の修了者などを対象に「登録カイロプラクター」の登録を行っている。同機構の公式サイトによれば、2026年7月現在で名簿に登録されているのは662名。この名簿は一般に公開され、厚生労働省にも提出されている。国家資格という制度が無い領域で、民間の側が自主的に整えてきた仕組みだ。

もちろん、この基準を満たしていれば全て安心だ、と断定するつもりはない。あくまで、そういう枠組みが実際に存在する、という事実を示しておきたい。

まとめ

カイロプラクティックに国家資格が無いのは、日本が制度整備を怠ってきたからではない。法制化を阻んでいるのは、「安全か危険か」という技術そのものの話ではなく、性質の異なる二つの理由が重なった結果だ。一つは、有害でなければ規制されないという法律の構造。もう一つは、すでにその仕事をしていた人たちへの配慮。法制化を「しないのではなく、できない」というのが、この記事で確認できた事実に近い。

本記事の内容は、2026年9月8日現在の法令・公表資料に基づいている。制度は今後改定される可能性がある。

ただし、この記事は「法律がなぜ規制していないか」までの話だ。技術そのものの安全性については、先ほどの平成4年の答弁書が、すでに一歩踏み込んだことを述べている。「頸椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法の危険性」を挙げ、危険な施術は適当でない旨を各都道府県に周知・指導するよう要請した、という記述だ。法律は無害な行為を規制しない。だが行政は、特定の手技については名指しで注意を促してきた。ここには温度差がある。規制されていない技術が実際にどこまで安全なのか——いわゆる「ボキボキ」は必要なのか。次はそこを見ていく。

よくある質問(FAQ)

Q. カイロプラクティックは違法なのですか?

A. 違法ではありません。あはき法が禁止・処罰の対象とするのは「人の健康に害を及ぼすおそれのある業務行為」に限られる、という昭和35年最高裁判決の論理に基づき、有害性のない医業類似行為は規制の対象になりません。

Q. カイロプラクティックに世界共通の基準はあるのですか?

A. WHOが2006年に発表したガイドラインで、教育時間4,200時間以上という基準が示されています。ただし、これは日本国内の法制度上の資格ではなく、あくまで民間・国際的な基準である点に注意が必要です。

Q. なぜ鍼灸師・柔道整復師には国家資格があって、カイロプラクティックには無いのですか?

A. あはき法が免許を定めているのはあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の3つで、これに柔道整復師法による柔道整復師を加えた4つに限られているためです。加えて、それ以外の医業類似行為を新たに国家資格化しようとすると、すでにその仕事をしていた人たちの就業機会に影響が及ぶという事情も関わっています。

Q. カイロプラクティックの国家資格化は、今後される可能性がありますか?

A. 本記事で確認した一次資料の範囲では、見通しは示されていません。有害でなければ規制されないという法律の構造と、すでにその仕事をしていた人たちへの配慮という2つの事情が変わらない限り、状況が動く材料は乏しい、というのが現時点で確認できる事実です。

Q. 整体とカイロプラクティックは法律上どう違うのですか?

A. どちらも法的な資格制度が存在しない点は同じです。ただし、カイロプラクティックにはWHOによる定義がある一方、整体には統一された明確な定義が無い、という違いが国民生活センターの資料で示されています。

本記事の位置づけ

本記事は、e-Gov法令検索で取得した条文原文、厚生労働省の通知・答弁書、国民生活センターの公表資料、WHOガイドライン、東京カレッジ・オブ・カイロプラクティックの公式サイト、および執筆者自身が国際基準のカイロプラクティック課程を卒業した経験に基づいて作成したものです。特定の事業者・団体・院を批判・示唆する意図はなく、業界全体を断定するものでもありません。「制度がなぜ今の形になっているか」を、公開されている一次資料をもとに整理したものとして読んでいただければと思います。

本文中の法律・判例・通知の内容は、執筆時点で確認できた公表資料に基づいています。制度や解釈は今後変わる可能性があるため、実際の判断が必要な場合は専門家にご確認ください。本記事は法律相談・医療相談を目的としたものではありません。

制度・情報は執筆時点(2026年9月8日確認)のものです。

参考文献・出典

  • あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和22年法律第217号):e-Gov法令検索
  • 最高裁判所大法廷判決(昭和35年1月27日・HS式無熱高周波療法事件)※判旨は下記の厚生省通知および参議院答弁書を通じて確認
  • 厚生省通知「医発第247-1号」(昭和35年3月30日)「いわゆる無届医業類似行為業に関する最高裁判所の判決について」:厚生労働省 法令等データベース
  • 参議院答弁書(平成4年1月14日・第122回国会 質問第15号「カイロプラクティック取扱いに関する質問」):参議院
  • 厚生省通知「医発第374号」(昭和45年6月24日)「法令適用上の疑義について」※下記の国民生活センター資料に引用されているものを参照
  • 国民生活センター「手技による医業類似行為の危害」(平成24年8月2日 報道発表資料):PDF
  • WHO「カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイドライン」(2006年)※カイロプラクティックの定義は上記の国民生活センター資料 注8 に引用されているものを参照。教育時間の基準(4,200時間以上)は下記の東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック公式サイトの記載により確認
  • 東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック 公式サイト(Doctor of Chiropractic Program):カリキュラム
  • 一般社団法人 日本カイロプラクティック登録機構(JCR):公式サイト

執筆者

山﨑駿(やまざき しゅん)

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師(すべて国家資格)/Doctor of Chiropractic(D.C.、Tokyo College of Chiropractic・CCEA認可課程)/オステオパシー(D.O.課程)専攻中。臨床歴12年、のべ数万人の身体に向き合ってきた施術者です。

【学歴】日本工学院八王子専門学校 柔道整復科 卒業/東京呉竹医療専門学校 鍼灸あん摩マッサージ指圧科 卒業/東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧RMITカイロプラクティック学科日本校)卒業/日本福祉大学 通信教育部 福祉経営学部 医療・福祉マネジメント学科 卒業/スティル・ジャパン・アカデミー(オステオパシー専門教育)在学中。

保有資格の詳細は運営者プロフィールをご覧ください。

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